心理学的現象の1つであるハロー効果は、あらゆる業界においてマーケティングを行う際に考慮すべき必須の要素となります。
ハロー効果によって消費者の商品やサービスに対する評価の仕方が代わり、企業の売上や収益にも直接関係することがあります。
そこでハロー効果とは「どういったものなのか?」「どのような場面で活用されるのか?」という方のために、ハロー効果の意味や実際の活用例について詳しく紹介します。
ビジネスや日常生活などあらゆる場面で応用できるため、是非ご覧ください。
目次
マーケティングにおけるハロー効果とは?
ハロー効果とは、商品やサービス、価格などを判断する際に、それらに関して目立つ特徴だけに意識が行ってしまい、他の特徴や要素についての評価が疎かになってしまう心理現的象の1つです。
ハロー(Halo)とは、もともと後光や光輪を意味するため、心理学の世界では後光効果や光輪効果とも呼ばれることがあり、1920年に心理学者のエドワード・ソーンダイクが書いた論文「A Constant Error in Psychological Ratings」よって提唱されました。
ハロー効果は、心理学の世界に限らず日常のあらゆる場面において作用しますが、特に一般企業が商品を販売したりサービスを始めたりする際のマーケティング戦略としてよく活用されます。
ポジティブハローとネガティブハロー
ハロー効果には、ポジティブハローとネガティブハローの2種類があります。
ポジティブハローとは、ある1つの優れた要素があることによって、他の要素の評価もそれに連動して高く評価されることです。
一方で、ネガティブハローとは、ある1つの優れた要素があることによって、それだけが目立ってしまい、他の要素の評価が下がってしまうことを意味します。
つまり、個人によって評価の仕方やモノの捉え方というのは異なるため、ハロー効果によって良い影響も悪い影響も出てしまうのです。
ハロー効果の重要性
ハロー効果は、一般企業のマーケティングにおいて商品を販売したりサービスを提供したり際に決して無視ができない非常に重要な要素となります。
より多くの消費者に商品を買ってもらいサービスを利用してもらうためには、パッケージデザインや商品説明、宣伝・販売方法などについて、ハロー効果を取り入れながら考えていく必要があります。
当然、企業のマーケティングで使用されるのは「ポジティブハロー」となります。
例えば、ある商品を販売する際に、その商品についてのメリットを効果的に宣伝することによって、商品のデメリットや欠点といった印象を薄くすることができます。
また、その商品に関してより好印象を与えるために、パッケージを華やかにしてみたり、商品情報の記載方法を工夫したりすることで、消費者の購買意欲を刺激することができるでしょう。
ハロー効果の主な活用例
一般企業のマーケティングに限らず、ハロー効果は私達の日常生活の中で幅広く活用されています。
しかし、私達のような消費者は、意識せずにその効果を受けています。
ここでは、日常生活におけるハロー効果の活用例についていくつか見ていきましょう。
その①:レストランや飲食店の「口コミ」
ハロー効果の活用例として、代表的なものがレストランやカフェなど飲食店の「口コミ」です。
インターネット上には各飲食店に関する口コミが、星の数や実際のコメントによって数多く搭載されています。
例えば、あなたが近くのレストランに行きたい時に、星が2つのレストランと星が5つのレストランという2つの選択肢があるとしましょう。
その場合「口コミ」という評価だけに意識が行き、実際の味や値段といった他の要素に関する評価が疎かになってしまいます。
その結果、実際に星が5つのレストランへ行ってしまうのです。
レストラン側にとっては「口コミ」が狙いで、口コミの評価が高いほど実際の集客率も増えると言えます。
飲食店の場合、口コミだけが最重要される評価のポイントではなく、値段・お店の雰囲気・混雑率・接客態度などを優先して評価する場合もあるでしょう。
その②:企業の採用面接
企業の採用面接もハロー効果が顕著に現れる事例と言えます。
もちろんすべての企業が当てはまるわけではありませんが、面接官は面接にやってくる人の学歴や容姿、態度などを第一に見る傾向があります。
それらの評価が高い場合、たとえその人の実績や経歴その他の要素において若干のマイナスポイントがあったとしても、ハロー効果によってプラスに評価されることになります。
その逆も然りで、話し方やスーツの着こなし方など第一印象に関わることにマイナス要素がある場合、たとえ学歴や経歴が良くても総合的にマイナスの評価となるでしょう。
その③:テレビCM
テレビCMもハロー効果を活用した典型的なマーケティング方法となります。
例えば、人気タレントと一般人を起用し、同じ商品を宣伝するためのテレビCMを作ったと仮定しましょう。
当たり前かもしれませんが、一般人の宣伝よりも影響力や認知度が高い人気タレントが宣伝した方が、その商品に対する評価も上がり、消費者の購買意欲が刺激されやすくなります。
普段、私達が何気なく見ているテレビCMも、各企業によるハロー効果というマーケティング戦略によって、無意識に誘導されていると言えるでしょう。
ハロー効果による問題とは?
今の時代、商品やサービスを提供する企業の大多数は、マーケティングにおいてハロー効果の手法を活用していると言えます。
企業側にとっては、収益につながるためハロー効果を活用するメリットがあると言えますが、消費者にとっては、ハロー効果によっていくつかの問題が生じる可能性があります。
ハロー効果は、間違った判断や誤解を招きやすいというデメリットがあるからです。
先述したテレビCMへの活用を例に挙げると「人気タレントが紹介している!」から「その商品は信頼できる」という誤解が生じ、本来考慮すべき「仕様」「品質」「値段」ではなく、タレントの「好感度」や「人気度」で判断することによって、商品本来の価値が曖昧になってしまう恐れがあります。
マーケティングにおけるハロー効果とは?|まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、マーケティングにおけるハロー効果とは何か・ハロー効果の重要性・日常生活における活用例について紹介しました。
ハロー効果は、一般企業が各社の商品やサービスを提供する際に、導入しているマーケティング戦略の1つです。
しかし、ハロー効果は日常生活においてあらゆる場面で活用されており、私達の知らない内にその影響を受けています。
ハロー効果は、悪い影響だけではありませんが、自己の判断力そのものを鈍らせてしまうことから、消費者はしっかりと価値を見極める必要があるでしょう。
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