「ECサイトのコンテンツマーケティングって何から始めれば良いの?どうすれば売れるの?」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
ECサイトにおけるコンテンツマーケティングは、ターゲットや目標を明確に定めて、購入やリピートにつながるようコンバージョンの導線を強化するのがポイントです。
また、ECサイトのコンテンツマーケティングでは、商品やサービスに適したツールを活用するのも成功の近道と言えます。
本記事では、ECサイトのコンテンツマーケティングの考え方やツールの種類を始め、有名企業の成功事例やジャンルごとのおすすめツールなどもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ECサイトにおけるコンテンツマーケティングの考え方
ECサイトは一般ユーザーを顧客とするBtoCビジネスのため、企業を顧客とするBtoBビジネスのコンテンツマーケティングとは考え方が異なります。
まずは、コンテンツを作成・運用する上で注視すべきポイントや自社ECサイトとモール型ECサイトの違いなど、3つの項目に分けて解説していきます。
集客・CVR向上・リピーター獲得の3点を重視する
ECサイトでのコンテンツマーケティングを成功させるためには、「集客・CVR(コンバージョン率)向上・リピーター獲得」の3点を意識する必要があります。
例えば、インターネットのリスティング広告などで集客だけに力を入れても、ランディングページに力を入れないと訪れたユーザーが購入(コンバージョン)に至らず、費用対効果が下がることになってしまいます。
集客施策以外にも、メルマガやクーポンなどで定期的にキャンペーン情報を配信し、常にユーザーが飽きないかつお得になるような企画を考えるようにしましょう。リピーターへの対応を想定した上で良い体験ができるコンテンツに仕上げることが、ECサイトのコンテンツマーケティングでは重要です。
ターゲットが多く存在する媒体を見定めてリーチする
ECサイトのコンテンツマーケティングを行う場合、TikTok・YouTubeなどで商品購入に近いターゲットが多く存在する媒体を調査してリーチすることが重要です。
なぜなら、購入に近いユーザーが少ない媒体で集客に力を入れても、コンバージョンが思ったように伸びないこともあるからです。
例えば家具やアクセサリーであれば、近年Instagram経由で欲しいものを探すユーザーも増えています。また、検索エンジンを使って商品を検索するユーザーも、ほとんどは「ショッピング」で検索し、直接購入ページに至るケースも多くなっています。
このように、ターゲットが多く存在するエリアを見定められれば、商品動画のコンテンツを作成するか、記事コンテンツを作成するかなど、方向性や集客方法などが明確になります。
ECサイトのコンテンツマーケティングに使える情報媒体
ECサイトでコンテンツマーケティングではSNS・SEOなど様々な手段があります。
最近ではYouTubeやSNSを活用した動画コンテンツが主流になっており、コンテンツマーケティングツールも多様化が進んでいます。
ここでは、ECサイトのコンテンツマーケティングで使用できる情報媒体について、種類ごとの特徴を分かりやすく解説していきます。
オウンドメディア
オウンドメディアは、ECサイトでSEO対策を行う場合に役立つ情報媒体です。
ECサイト内にコラムのような形でオウンドメディアへのリンクを設置し、商品の使い方やメリットなど、商品を購入した後などに役立つ情報を発信することで、認知拡大・リピート率向上が期待できます。
アクセスを稼ぐ記事が量産できれば、ECサイトのブランディングにもつながり「広告費を掛けずに商品が売れる状態」を作ることができます。
SNS
ECサイトの商品やサービスを手軽にアピールしたいなら、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSツールの活用もおすすめです。
TikTok・Instagram・Xなどは、地道にフォロワーを増やしていく必要がありますが、拡散力に優れ商品の魅力がショート動画などで伝えられるため、直接購入に至るユーザーが獲得できるのがメリットです。
また、Instagramでも広告を出稿することも可能なため、オウンドメディアにリソースを割く余裕がない場合は、SNSの強化に力を入れると良いでしょう。
引用やおすすめ機能などによって、フォロワー以外のユーザーにリーチする拡散力の高さもSNSならではの魅力と言えます。
商品の購入を促す口コミ・レビューも重要
ECサイトは実店舗とは異なり、商品を手に取って購入を検討できないため、口コミ・レビューの存在が重要になります。
「口コミ・レビューを参考に商品を購入するユーザーが8割以上」というデータも存在するほどですので、購入の後押しになることは間違いないでしょう。
また、SEO対策やSNSなどでの二次拡散に繋がりやすい側面も持ち合わせているため、企業のブランディング向上にもおすすめのツールです。
YouTube動画
YouTube動画は、SNSやオウンドメディアと並行してコンテンツマーケティングを実施する際に効果的です。
例えば、「商品は知ってるけど使い方が分からないから買いづらい」というユーザー層に対して解説動画を投稿すると、そのユーザー層からの一定のコンバージョンが期待できます。
作成した動画コンテンツに関しては、オウンドメディアやSNSなどにも流用できますので、文字コンテンツでは説明しきれない部分の補填に使うのも良いでしょう。
また、オウンドメディアのコンテンツ内にYouTube動画を貼って活用することも可能です。
メルマガ
ECサイトのリピーターを定着させるためのツールとして、メルマガの活用もおすすめです。
購入などの実績があるユーザーのみにターゲットは絞られますが、商品やサービスに一定の理解があるユーザーに対して、一歩踏み込んだ内容のコンテンツを提供できます。
メルマガで成果を挙げるためには、メールボックスの中で埋もれない工夫も重要なポイントになりますので、ユーザーが思わず開封してしまうタイトル作りを意識しましょう。
ランディングページ(LP)
特定の商品をダイレクトに売り込むLP(ランディングページ)も、ECサイトのコンテンツマーケティングにおすすめと言えます。
LPは、主にオウンドメディアやメルマガなどのリンク先として活用されるツールで、商品情報から購入ボタンまでの様々な要素を1ページにまとめたものです。
リスティング広告などの広告に使用することも可能ですので、自社の中で特に売り出したい商品やサービスがあるなら、LPの作成を視野に入れておくと良いでしょう。
ECサイト向けコンテンツマーケティングの戦略を立てる手順
ECサイトのコンテンツマーケティングを成功させるためには、ただコンテンツを作成するのではなく、戦略立案や手順が重要になります。
特に数値的な目標や目的の設定は重要で、それらの設定が曖昧なままコンテンツを作成するのは、時間や人的リソースを無駄にするだけです。
ここでは、ECサイトのコンテンツマーケティングに必要とされる項目を、実際の手順通りに解説していきますので、戦略を組み立てる際にお役立てください。
詳細な目標設定
ECサイトのコンテンツマーケティングを成功させるためには、まず「どのような状態になれば成功なのか」という目標設定を、可能な限り詳細に行いましょう。
売上などの最終目標の指標となる「KGI」、最終目標までのプロセスを観測するための「KPI」、目標達成に必要な要素を可視化する「KSF」の3つを設定することで、「何をするべきか」が具体的に見えてきます。
目標や指標を明確に決めておかないと、マーケティング施策のABテストなども行えませんので、戦略を立てる上で必要不可欠です。
ペルソナの設定
目標や指標の設定が定まったら、ターゲットをより深く掘り下げる「ペルソナの設定」を行います。
ターゲットが「20代女性会社員」だとすると、20代女性会社員が持つ悩み・課題・購買行動などを深く分析し、名前や写真も付けた1人の人物まで絞り込むのがペルソナの設定です。
ペルソナを適切に設定することによって、集客やCVR向上に効果的な施策を打ち出しやすくなりますので、時間を掛けて考えましょう。
アクセスログなどのデータを分析
アクセスログなどでデータを分析することも、コンテンツマーケティングの戦略を立てる上で必要不可欠と言えます。
「どのようなキーワードでサイトに辿り着いているのか」や「どの地域からアクセスされているのか」など、分析に必要なデータを取得できる環境を整えておきましょう。
最近では個人情報の取り扱いが厳しくなりつつありますが、Googleタグマネージャーの設定代行サービスを活用し、Cookie規制が行われる前に設置しておけば安心です。
取扱商品や流入チャネルに合ったツールの選定
取扱商品や流入チャネルに合わせて、オウンドメディアや動画などのツールを選定することも、コンテンツマーケティングの成功に繋がる大切な要素です。
例えば、検索エンジンから流入するユーザーは悩みの解決を目的としてコンテンツに訪れるケースが多く、SNSのユーザーは瞬間的な興味からコンテンツに訪れる傾向があります。
検索エンジン経由のユーザーにいきなり商品の購入ページを見せても購入に繋がりづらく、SNS経由のユーザーに長文の記事を見せても辟易とされるだけですので、ニーズに合わせた選定を心掛けましょう。
良質なコンテンツの作成
ペルソナの設定やツールの設定などのフォーマットを整えたら、いよいよコンテンツの作成を行なっていきます。
「良質なコンテンツ」というと、情報量の多い網羅系のコンテンツをイメージする人も多いかと思いますが、「ペルソナが知りたい情報を適切な形で与えるコンテンツ」を意識することが最も大切です。
コンテンツを作成する目的は、ユーザーを満足させることではなく「商品を売ること」ですので、ユーザーをECサイトに誘導する導線への意識も忘れないようにしましょう。
定期的な更新・改善
ECサイトのコンテンツマーケティングは、1つのコンテンツを作って終わりではありません。
コンテンツのPV数やCVRなどの数値を分析し、より良い成果を生み出すための新規コンテンツ作成や、既存コンテンツのブラッシュアップが必要になります。
定期的に更新や改善を行うことによってコンテンツの方向性が定まり、コンバージョンにも繋がりやすくなりますので、諦めずに継続しましょう。
成功事例に学ぶコンテンツマーケティングの手法
ECサイトのコンテンツマーケティングを成功させるイメージが湧かない場合は、他社の成功事例を参考にするのも1つの手段です。
成功の裏側には必ずロジックが潜んでいますので、そのロジックを再現すれば、コンテンツマーケティングの成功は一気に身近なものになります。
オウンドメディアやSNSなど、コンテンツマーケティングのツールごとに5つの成功事例をピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてください。
「無印良品」(オウンドメディア)
オウンドメディアの成功事例を知りたいなら、無印良品が運営する「くらしの良品研究所」を見てみると良いでしょう。
無印良品のイメージを損なわないシンプルなデザインに加えて、ユーザーライクなコラム記事やリクエストコーナーなど、徹底したユーザー目線で成功を収めています。
くらしの良品研究所の更新は2022年1月で終了していますが、無印良品はInstagramでのコンテンツマーケティングにも成功していますので、マーケティングの手法を考える上で非常に参考になる企業です。
「ホームセンター コメリ」(記事コンテンツ)
ホームセンター コメリのホームページ内に掲載されている「HowTo情報」の項目は、記事コンテンツの成功事例と言えるでしょう。
DIYやガーデニングを始めとする様々なお役立ち情報が項目ごとに記事化されており、ガーデニングや家庭菜園に関しては、50音で植物の名前を調べられるようになっています。
記事内に書かれている内容を再現するための道具や素材などの購入リンクも適切に設置されていますので、リンクの設置箇所なども学べる事例です。
「ライス・フォース」(SNS)
SNSでのコンテンツマーケティングの成功事例を知りたい場合は、Facebookでのコンテンツマーケティングに成功したライス・フォースの事例を参考にすると良いでしょう。
スキンケアブランドであるライス・フォースは、ターゲットである30代〜50代の女性が興味を持ちやすい、旅行や食べ物などの情報を発信することでファンを増やしてきました。
ターゲットユーザーに好印象を与えることで「いいね」が付きやすくなり、その拡散力がターゲットへの訴求にも繋がった好例です。
「カメラのキタムラ」(動画コンテンツ)
ECサイトのコンテンツマーケティングにおいて、動画コンテンツで成功したいと考えているなら、カメラのキタムラのネットショップを参考にすると良いでしょう。
カメラのキタムラのネットショップでは、商品ページの下部に動画や記事が掲載されており、実際の操作性や使用感をイメージしやすくなっています。
動画の本数は1,000以上で、公式YouTubeチャンネルにもアップされていますので、YouTubeからの流入を意識する上でも参考になる事例です。
「石けん百貨」(口コミ)
ECサイトの「石けん百貨」は、サイト内に口コミ・レビューを設置する上で、非常に参考になる成功事例です。
石けん百貨には、石けんの基本的な使い方からマニアックな知識まで網羅されており、石けんへの関心が高いユーザーが集まっています。
関心が高いユーザーが書く口コミ・レビューの信頼度は高く、商品の購入にも繋がりやすいため、ECサイトに口コミ・レビューを設置しようと考えているなら、石けん百貨の手法を参考にしましょう。
【ジャンル別】ECサイトおすすめコンテンツマーケティングのツール
ECサイトのコンテンツマーケティングを始めるにあたって、オウンドメディアやSNSなどのツール選びも、成功・失敗の分岐点です。
下の表を見れば分かる通り、「アパレル系やコスメ系はSNS向き」や「食品関係はメルマガ向き」のように、ジャンルごとの向き不向きは存在します。
ECサイトのジャンルごとに、おすすめツールや掲載するべき情報などをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【ジャンル別】ECサイトおすすめコンテンツマーケティングのツール
オウンドメディア | メルマガ | SNS | 動画 | 口コミ・レビュー | |
---|---|---|---|---|---|
アパレル・ファッション | 〇 | 〇 | 〇 | ||
食品・フード | 〇 | 〇 | 〇 | ||
化粧品・美容・コスメ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
雑貨・家具・インテリア・日用品 | 〇 | 〇 |
アパレル・ファッション
アパレルやファッション関係のECサイトでコンテンツマーケティングを行うなら、着用例やコーディネート例などの画像や動画を、オウンドメディアやSNSに掲載するのがおすすめです。
ネットショップで服を買う場合、着用感や色味が分かりづらいため、実際の着用例やコーディネート画像は非常に重宝されます。
また、身長や体型などでもイメージが変わるため、様々な体型のモデルの着用画像を用意し、モデルの身長なども記載しておくと親切でしょう。
化粧品・美容・コスメ
化粧品・美容・コスメのジャンルのコンテンツマーケティングを行う場合は、実際の使用感やビフォーアフターが分かる画像や動画を、オウンドメディアやSNSに掲載するのがおすすめです。
化粧品の場合は、香りや匂いも気になる要素の1つですので、香りや匂いに関する口コミやレビューなどもテキストとして記載しておくと良いでしょう。
基礎化粧品などの効果の記載に関しては、薬機法や景品表示法で厳しく規制されているため、あくまでも「個人の使用感」として掲載することがポイントになります。
食品・フード
食品関係のECサイトでコンテンツマーケティングを行うなら、掲載されている商品を使ったレシピを、オウンドメディアやメルマガなどで定期的に発信することをおすすめします。
オリジナルのミールキットやスパイスミックスなどのように、使い方のイメージが湧きづらい商品の場合は、実際に使用している動画を掲載するのも良いでしょう。
また、商品開発に携わっている場合は、食材の特徴や商品へのこだわりなど、その商品ならではの魅力を発信するのも1つの手段です。
雑貨・家具・インテリア・日用品
雑貨や家具などを扱うECサイトでコンテンツマーケティングを行う場合は、オウンドメディアや動画などで、実際の使用例を掲載するのがおすすめです。
インテリアに関しては、お部屋のトータルコーディネートや、実際の暮らし風景などを掲載すると、ユーザーが使用感をイメージしやすくなります。
オリジナルの雑貨や家具を販売するECサイトの場合は、開発秘話やこだわりなどを記事として発信することで、ストーリーに共感したユーザーからの購入が期待できるでしょう。
コンテンツマーケティングでECサイトの売上を伸ばす戦略方法と成功事例|まとめ
ECサイトでコンテンツマーケティングを行う際の考え方やツールの種類を始め、実際の企業の成功事例やジャンルごとのおすすめツールについても解説してきました。
本記事の知識だけでもECサイトのコンテンツマーケティングを始めることは可能ですが、初めての戦略立案やコンテンツ作成はどうしても主観的になりがちです。
株式会社メディアエクシードでは、ECサイトのコンテンツマーケティングに関する戦略設計やSEO対策などの実績も豊富ですので、「どうしてもこの商品を売りたい!」と考えているなら、ぜひご相談ください。
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