「BtoBコンテンツマーケティングで成果を挙げたいけど、やり方が分からない」という人は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、BtoBコンテンツマーケティングを成功させるには徹底したユーザー目線が大切で、コンテンツ選びに関してもユーザーに最も届きやすい種類を選ぶ必要があります。
本記事では、BtoBコンテンツマーケティングに使用されるコンテンツの種類を始め、成功させるための考え方や進め方、企業の成功事例などもご紹介していきますので、最後までご覧ください。
BtoBコンテンツマーケティングの種類
まずは、自社メディアやSNSなど、BtoBコンテンツマーケティングで使用されるコンテンツの種類をご紹介していきます。
BtoBコンテンツマーケティングは「高い成約率が期待できるユーザーに価値のある情報を届けること」が重要とされているため、届ける手段であるコンテンツの選定も大切です。
それぞれの特徴や強みに加えて、意識するべきポイントなども簡潔にご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
自社メディア
BtoBコンテンツマーケティングの中で最もポピュラーなのが、コーポレートサイトやオウンドメディアに代表される自社メディアです。
コーポレートサイトは、自社の商品やサービス情報に導入事例、ブログやプレスリリースの更新、オウンドメディアは定期的な記事やコンテンツの更新などで見込み顧客の興味を集めます。
見込み顧客が知りたい情報を掲載し、SEO対策にも配慮することでより高い集客効果が望めますので、「ニーズに応えるコンテンツ」を意識しましょう。
SNS
SNSはリアルタイムな情報発信、また顧客とのコミュニケーションなど、企業を身近に感じさせるツールとして効果的です。
自社サイトとは違って立ち上げのコストが発生せず、分析ツールなども内包されているため、「最も低コストで運用できるマーケティングツール」と言って良いでしょう。
見込み顧客に向けて魅力的な情報を随時発信し、顧客からの生の声によって商品・サービスの改善にも努められますので、活用しない手はないでしょう。
YouTube
日本国内に7,000万人以上のアクティブユーザーがいるYouTubeも、BtoBコンテンツマーケティングの代表的なツールと言えるでしょう。
写真や文章だけでは伝えきれない商品やサービスの魅力を効率的に伝えられるため、見込み顧客への訴求力アップに繋がります。
また、Forbes Advisorの「Content Marketing Statistics for 2024」でも、最も効果的なコンテンツマーケティング形式はビデオ(動画)と言われていますので、積極的に取り入れていきたいところです。
コンテンツマーケティングのフォーマットの中で、動画コンテンツがパフォーマンスをリードしているというデータがある。これは消費者の嗜好の変化を反映しており、視聴者のエンゲージメントを獲得する上で、視覚的・聴覚的なストーリーテリングが優先されている。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、企業情報やイベントのレポート、商品・サービスの導入事例など、顧客にとって有益な情報をまとめた資料です。
企業のコーポレートサイトからダウンロードするPDF形式が一般的で、ダウンロード時に個人情報を入力させることによって、営業活動に必要なデータを効率的に収集できます。
制作にコストや時間は掛かりますが、情報を必要としている見込み顧客に対して自社の強みや個性をアピールできますので、BtoBコンテンツマーケティングにおいては定番のツールと言えるでしょう。
メールマガジン
BtoCの観点ではオワコンと言われがちなメールマガジンですが、BtoBコンテンツマーケティングの手段としては有効です。
企業間の連絡はメールが主流ですので、メールマガジンを登録する際に企業の規模や業種・業態などの情報を入力させれば、その情報に合わせた商品やサービスのアピールを効率的に行えます。
コンセプトや配信内容にもよりますが、送信済みのバックナンバーをブログなどの自社メディアにストックすることもできるため、使い勝手の良いツールと言えるでしょう。
セミナーやウェビナー
見込み顧客と直接コミュニケーションが取れるセミナーやウェビナーも、BtoBコンテンツマーケティングに効果的な手法です。
会場を押さえるコストが発生し、会場までの距離で参加者が限定されるセミナーに対して、ウェビナーはオンラインで世界中に発信できるため、費用対効果を考えた場合ウェビナーの方がおすすめと言えます。
また、セミナーやウェビナーでは自社のアピールに加え、参加者からの質問タイムなども設けられますので、見込み顧客とのコミュニケーションが一方的ではないことも魅力でしょう。
BtoBコンテンツマーケティングの基本的な考え方
BtoBコンテンツマーケティングを始めるにあたって、「何を意識すれば良いのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。
コンテンツの種類だけを把握していても、根本的な考え方を理解していないと、効果的なマーケティング戦略は立てられません。
ここでは、BtoBコンテンツマーケティングにおいて、最も基本とされる考え方を3つのポイントに分けてご紹介していきますので、ぜひご覧ください。
- ・コンテンツはユーザー視点で考える
- ・ビジネスとしての成功・成果が必要
- ・BtoCコンテンツマーケティングとの共通点や違い
コンテンツはユーザー視点で考える
BtoBコンテンツマーケティングにおいて最も基本的な考え方は、ユーザーの目線に立って価値提供を行い、それによって信頼を得ることです。
自社の商品やサービスをただアピールするのではなく、潜在的なニーズを見極めて、そのニーズに合わせた情報発信を行うことにより商品やサービスの成約に繋げます。
ニーズを無視した押し売りのようなコンテンツの場合はユーザーが離れるだけでなく、ユーザーに届かない可能性も高くなるため、「徹底したユーザー視点」こそがポイントと言えるでしょう。
ビジネスとしての成功・成果が必要
BtoBコンテンツマーケティングが評価されるには、売り上げアップや商談数アップなど、ビジネスとしての成功・成果が必要となります。
ブログのPV数やSNSのインプレッション数、YouTubeの再生数などの数値が上がっても、商品・サービスの成約数や問い合わせ件数のような具体的な成果が上がらないと評価は得られません。
そのため、コンテンツを制作・運用する際は、商品・サービスへのリンクや問い合わせフォームなどのゴールを設定し、そのゴールに向けた導線を引くことが大切です。
BtoCコンテンツマーケティングとの共通点や違い
BtoBコンテンツマーケティングとBtoCコンテンツマーケティングは、見込み顧客の集客や商品・サービスのアピールという点では共通しています。
しかし、対企業のBtoBと対個人のBtoCでは、成約までのスピード感が大きく異なり、個人の意思で購入や契約を決められるBtoCの方が圧倒的にスピーディーです。
ただ、商品・サービスの単価の高さや、信頼を築いてからの取引期間の長さではBtoBに軍配が上がりますので、大器晩成型のコンテンツマーケティングと言えるでしょう。
BtoBコンテンツマーケティングを成功させる進め方
BtoBコンテンツマーケティングを成功させるためには、正しいステップを踏むことも大切です。
また、1つ1つのステップの解像度を高めることがプロジェクトの成功率アップに繋がるため、それぞれの内容をしっかりと理解し、着実に実行する必要があります。
ここでは、ペルソナの設定からコンテンツの改善・解析までの、6つのステップについて分かりやすく解説していきますので、マーケティング戦略を立てる際にお役立てください。
- ・詳細にペルソナを設定する
- ・バイヤージャーニーを作成する
- ・KGIとKPIの指標を設定する
- ・顧客目線でコンテンツを作成する
- ・ユーザーに合った方法でコンテンツを提供する
- ・アクセス解析と改善を繰り返す
詳細にペルソナを設定する
「誰に売るのか」を明確にするペルソナの設定は、BtoBコンテンツマーケティングを成功させる上で最も重要と言えます。
自社の商品やサービスが、ユーザーのどんな悩みを解決できるのかを割り出し、その悩みを持つ人の人物像を具体的にイメージするのがペルソナの設定です。
BtoBマーケティングにおいては、購入や契約の意思決定を企業が行うため、コンテンツを訪れる担当者のペルソナに加えて、企業の決裁者のペルソナも意識しておくと良いでしょう。
バイヤージャーニーを作成する
見込み顧客が商品・サービスの導入を決めるまでの過程をイメージしやすくするために、バイヤージャーニーも作成しておきましょう。
バイヤージャーニーは、自社の商品やサービスの認知から導入に至るまでのユーザーの行動プロセスを可視化するもので、フローチャートやマップ形式での作成が一般的です。
設定したペルソナの思考や行動を深く掘り下げ、それぞれのプロセスに適したコンテンツや媒体を検討することによって、自社のマーケティングの地盤が固まりますので必ず作成しましょう。
KGIとKPIの指標を設定する
BtoBコンテンツマーケティングを成功させるためには、重要目標達成指標(KGI)や重要業績評価指標(KPI)といった目標の設定も大切です。
目標を設定しておかないと、制作したコンテンツの成功・失敗の判定ができず、その後の対策も打てないため、コンテンツを稼働させる前に設定しておきましょう。
一般的に、KGIは問い合わせ件数やメールマガジン登録者数などの達成数、KPIはPV数やエンゲージメント率といった中間指標で定められます。
顧客目線でコンテンツを作成する
ペルソナの設定やバイヤージャーニーの作成などでも分かる通り、BtoBコンテンツマーケティングの成功は、徹底した顧客目線に掛かっています。
ユーザーが解決したい課題や、困っていることなどを分析し、ユーザーが理解しやすい形で回答を提供するのがコンテンツマーケティングの真髄です。
自社の商品やサービスの強みをアピールするだけでなく、「ユーザーにどんなメリットがあるのか」という視点を持ってコンテンツ作成することが成功に繋がりますので、顧客目線を必ず意識しましょう。
ユーザーに合った方法でコンテンツを提供する
顧客目線が重要となるBtoBコンテンツマーケティングですので、コンテンツの種類や提供する方法もユーザーに合わせることが大切です。
自社メディアやSNSを始めとする多様なコンテンツの中から、ユーザーに伝わりやすい種類を選択し、検索エンジンやSNSなど流入経路や閲覧方法に応じて内容を精査する必要があります。
また、コンテンツ閲覧後のアクションを促すCTAを明記にすることによって、購入や申し込みなどの成果にスムーズに繋げられますので、CTAの明記も忘れないようにしましょう。
アクセス解析と改善を繰り返す
コンテンツを公開した後は、あらかじめ設定したKGIやKPIをもとにして、アクセス解析や改善を繰り返すことが成功のカギを握っています。
アクセス数やユニークユーザー数を始め、クリック率やコンバージョン率、離脱率や滞在時間など、さまざまな角度から解析をおこないコンテンツの改善に努めましょう。
また、KGIやKPIの数値に著しく届かない場合は、コンテンツの新規作成を検討する必要も出てきますので、コンテンツを見限る決断力も大切です。
BtoBコンテンツマーケティングの成功事例から学ぶ手法
BtoBコンテンツマーケティングを成功させるにあたって、「なぜ成功しているのか」を実際の成功事例から逆算して考えることも大切です。
特に、ペルソナの設定やCTAまでの導線の引き方に関しては、実際に企業が運営しているコンテンツを見た方がイメージしやすいでしょう。
ここでは、BtoBコンテンツマーケティングの成功事例として大手5社をピックアップし、成功の秘訣や取り組み方のポイントなどをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社マネーフォワード(自社メディア運用)
バックオフィスの悩みを解決する自社メディアで、月間100万PVかつ検索流入90%という実績を誇る株式会社マネーフォワードは、成功事例の代表格と言えるでしょう。
マネーフォワードが運営している「Money Forward Bizpedia」は経理担当者の悩みに着目しており、専門家が監修した質の高いコンテンツを積み重ねることで、ユーザーと検索エンジンの両方の評価を得ています。
SEOのテクニックだけでなく、丁寧な取材による内容の深さや読みやすさへの工夫も学ぶべきポイントです。
株式会社キーエンス(自社メディア運用)
株式会社キーエンスが運営する「バーコード講座」も、自社メディアの成功事例と言って良いでしょう。
バーコード講座は、バーコードに関するノウハウや知識などをコンテンツとして発信し、実際のバーコード機器の構造や使い方に関する情報も網羅しているメディアです。
キーエンスでは、バーコード以外の製品カテゴリでも多数のメディアを運営しており、「1カテゴリに対して1メディア」でターゲットユーザーをピンポイントに狙う手法も参考になります。
サイボウズ株式会社(自社メディア運用)
企業向けグループウェアの開発・販売を行うサイボウズ株式会社が手掛けた「サイボウズ式」も、自社メディアの成功事例の1つです。
サイボウズ式は20代〜30代の働き方や仕事そのものにフォーカスを当てたメディアで、社会人なら誰もが共感する内容を発信し続けることによって、月間平均20万PVという成功を収めています。
メディアのコンセプトを明確に定め、「残業」や「働き方」のような親和性の高いトレンドワードを的確に盛り込んでいることも、成功の秘訣と言えるでしょう。
freee株式会社(自社メディア運用・ホワイトペーパー)
クラウド会計ソフトで有名なfreee株式会社が運営している「経営ハッカー」は、自社メディアの導線を学べる成功事例と言えます。
記事内に自社サービス「freee経理」のバナーを設置し、サービスの内容や導入事例など、ユーザーが気になるポイントをまとめた資料(ホワイトペーパー)のダウンロードを促す導線は秀逸です。
自社サービスのバナーといえば、会員登録や製品購入などに繋げるのが一般的ですが、資料のダウンロードを挟む手法は成約率を高める上で非常に有効な手法と言えるでしょう。
HubSpot Japan株式会社(記事コンテンツ・YouTube)
HubSpot Japan株式会社は、ビジネスパーソンのあらゆる悩みを解決する「Hub Spotブログ」やYouTubeチャンネルで成功を収めています。
ブログの記事コンテンツに関しては、図解や簡潔にまとめたテキストによって非常に読みやすく、記事の内容に合ったバナーを掲載するなど、CTAの選定もポイントです。
ブログ・YouTubeともに「顧客への価値提供」を重視しており、分かりやすさや読みやすさなど、正攻法での取り組みが功を奏した事例と言えるでしょう。
BtoBコンテンツマーケティングのメリット・デメリット
最後に、コスト面やリソース面など、BtoBコンテンツマーケティングを行うメリットやデメリットについて解説します。
BtoBコンテンツマーケティングを成功させる秘訣は、アクセス解析と改善を繰り返しながらの継続ですので、途中で挫折してしまっては意味がありません。
あらかじめメリットやデメリットを把握することで、より効果的なコンテンツ運営に臨めるため、しっかり理解しておきましょう。
メリット
BtoBコンテンツマーケティングの最大のメリットは、少ないコストで中長期的な宣伝効果や売り上げアップ効果を期待できる、費用対効果の高さでしょう。
作成したコンテンツは繰り返して利用することも可能で、リスティング広告ほどのランニングコストも発生しないため、広告費を抑える手段として非常に優秀です。
また、自社メディアなどの継続でアクセスを集め続けることによって、製品・サービスの認知度アップにも繋がりますので、企業のブランディングを高める意味でも効果的と言えます。
デメリット
BtoBコンテンツマーケティングのデメリットは、満足できる成果を実感するまでに時間を要することです。
ターゲットを詳細に設定したからといって、コンテンツの公開後すぐにターゲットユーザーが成約するとは限らず、成果が出るまでに数ヶ月かかるケースもあります。
また、顧客の満足度や成約率を高めるために、定期的な情報更新やデザインのブラッシュアップなどが必要になるため、常にリソースが割かれることもデメリットと言えるでしょう。
BtoB向けの成功させるコンテンツマーケティングと導入事例|まとめ
BtoBコンテンツマーケティングの種類や考え方、具体的な進め方や成功事例、メリット・デメリットについても解説してきました。
知識としては本記事に書いた通りですが、初めての戦略立案やコンテンツ作成は俯瞰で冷静に判断することが難しく、成功を逃してしまいがちです。
株式会社メディアエクシードは、BtoBコンテンツマーケティングの実績が豊富で、成功を目指す戦略設計や細かい数値の読み方まで丁寧にサポート可能ですので、お困りの際はお気軽にご相談ください。
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