マーケティングミックスで代表的な4P分析や4C分析については理解している方もいると思います。しかし、7C分析となると初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。
7C分析は検索エンジンでもあまりヒットしないため、実際にどういったものなのか理解するためには参考書を購入しないと理解しづらいと思います。
でも7C分析を知るためだけに参考書を買うのも気が引けますよね?
この記事では7C分析のやり方や、7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)や4P分析や4C分析についても解説していきます。
7C分析って何?
7C分析とは共生マーケティングにおけるフレームワークの1つです。ユーザーを第一に考えることが結果的に企業の利益にも繋がると考えるマーケティング手法です。
まず初めに皆さんが1番気になっているであろう7C分析に含まれる7つの要素を簡単にまとめたのでご覧ください。
7C | 要素の説明 |
---|---|
Commodity (商品) |
ユーザーの意見も取り入れたりと、売り手と買い手で商品を作り上げていくこと。 |
Communication (コミュニケーション) |
プロモーション方法やユーザーとの関係性、また商品購入後のアフターサービスなど。 |
Cost (総合的コスト) |
その商品やサービスを購入するまでにかかる金額や時間などすべてのコスト。 |
Channel (流通経路) |
購入するまでの流れが簡単で低コストかどうか。 |
Corporation (企業・団体) |
会社や企業など。 |
Circumstance (外部環境) |
環境的要因や政治的要因、経済的要因など企業にとって制御できないもの。 |
Consumer (消費者) |
消費者や購入者のことであり、商品やサービスを購入する側から商品やサービスについて考えること。 どういったものが生活で必要とされているかなど。 |
表にあるように7つの要素でフレームワークしていくことを7C分析と言います。
ここまで7C分析の要素を見ただけではこれが何に役に立つのかまだわかりづらいと思います。そこで、7C分析をより理解するために共生マーケティングについて理解しておきましょう。
共生マーケティングにおける7C分析とは
共生マーケティングとは利益よりも信頼を優先しユーザーを第一とするものであり、信頼を獲得することが結果的に企業利益に結び付くという考えに基づいて作られた手法です。
地球環境についても配慮されており、環境に優しい素材の広告や商品を作ることを意識することで、人と地球環境の共生を目指したマーケティングとなっています。
また、共生マーケティングはCo-marketingとも呼ばれています。このCoは一緒や共同という意味があり、これは人と自然がともに共存していくことを前提としていることがわかります。
ここからわかるように、7C分析は地球環境とユーザーを大切にすると言うことが前提のフレームワークとなります。
7C分析の生い立ち
7C分析は「マーケティング・ミックス共生4C理論」が発展してできたものになります。
マーケティング・ミックス共生4C理論は、Commodity(商品)、Communication(コミュニケーション)、Channel(流通経路)、Corporation(企業・団体)の4つから成り立っており、別名を双方共生視点4C戦略といいます。
先ほど挙げた4つにCorporation(企業・団体) 、Circumstance(外部環境)、Consumer(消費者)の3つを追加したものが7C分析となります。
少しわかりづらいかもしれませんが、この共生マーケティングの4Cにある4つの要素はマーケティングミックスの代表的な4C分析とは全くの別物です。マーケティングミックスの4Cについては下記で詳しく紹介しているので是非ご覧ください。
7C分析の要素をもっと詳しく
先ほど7C分析の7つの要素を紹介しましたが、「少しわかりづらいな」と感じる方もいると思います。そこで、ここからは7つの要素について例もふまえて説明していきたいと思います。
Commodity(商品)
Commodity(商品)はユーザーの声や評価、フィードバックをSNSや事後アンケートから集めて商品をより良いものを作り上げていくものです。
フレームワークの際は、実際に商品・サービスを利用した人の感想を集めて記載します。
Communication(コミュニケーション)
Communication(コミュニケーション)は企業のプロモーション方法やユーザーとの関係性、また商品購入後のアフターサービスについてであり、ユーザー側とのコミュニケーションを取ることができる部分のことを指します。
フレームワークの際はユーザー側の目線で、商品・サービスを利用するまでにどんな広告に影響を受けたかなどの道筋から商品・サービスの利用後に企業側とどのような接点があるかを記載します。
この接点というのはアフターサービスや相談窓口、商品・サービスを再度利用する際のサービスを指します。
Cost(総合的コスト)
Cost(総合的コスト)はユーザーが商品・サービスを購入するまでにかかる金額や時間などのコストを指します。
コストには交通費や時間だけでなく、購入するか考える時間や労力などすべてを含んでいます。
フレームワークの際は、商品・サービスを利用するまでに悩んだ時間から購入する道筋でかかる金額、労力など商品・サービスを利用するまでのフローすべてのコストを記載します。
Channel(流通経路)
Channel(流通経路)はユーザーが商品・サービスを購入するまでの流れがいかに簡単で低コストかを指します。実店舗やオンライン販売において購入方法や、商品・サービスの内容の表示についての明瞭さが含まれます。
皆さんがアマゾンやZOZOTOWNなどのECサイトを利用する際に、商品の詳細や購入までの流れがわかりづらいと購買意欲がそがれてしまいますよね?
そのようなことを避けるため、フレームワークでは商品・サービスを利用する際に商品の詳細が分かりやすく説明されているかや購入するまでの一連の流れをユーザー側がどのように感じているかを記載します。
Corporation(企業・団体)
Corporation(企業・団体)は会社や企業のことを指します。フレームワークの際は軸となる企業や会社名を入れます。
フレームワークで競合企業などの分析をしたい方はCorporation(企業・団体)にその企業・団体名を記載し分析を始めましょう。
Circumstance(外部環境)
Circumstance(外部環境)は環境的要因や政治的要因、経済的要因など企業にとって制御できないものを指します。例として台風や新法の制定、インフレーションやデフレーションなどが挙げられます。
フレームワークでは、現状起きている環境的要因や政治的要因、経済的要因を記載しましょう。
Consumer(消費者)
Consumer(消費者)はその名の通り、消費者や購入者のことであり商品やサービスを購入する側から商品やサービスについて考えることを指します。
「商品・サービスの安全性能はどうか」
「どういったものが生活で必要とされているか」などが挙げられます。
フレームワークでは、ユーザーの目線から見て、商品・サービスがどういったシーンで需要があるかや安全面を記載します。
7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)とは
この7C分析の中にあるConsumer(消費者)とCircumstance(外部環境)には、Conpass(コンパス)にある4つの方角の頭文字(WNSE)に当てはまる要素があると言われています。
このように7Cとコンパスを組み合わせたものを7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)と言います。
では実際に7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)とはどのようなものなのでしょうか。
7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)におけるConsumer(消費者)
消費者や購入者のことであり、商品やサービスを購入する側から商品やサービスについて考えることです。ここにコンパス要素が追加されます。
・Wants(欲求)ユーザーごとの価値観やライフスタイルにある欲求。
・Needs(必要性)生活するうえで欠かせないもの、こと。
・Security(安全性)商品の安全性全般。
・Education(情報提供・消費者教育)企業と消費者間にある商品の知識や情報のギャップ。
7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)におけるCircumstance(外部環境)
環境的要因や政治的要因、経済的要因など企業にとって制御できないものを指します。ここにコンパス要素が追加されます。
・Weather(自然環境・気象)自然災害・天気。
・National and International(国際環境・政治や法律的環境)国際関係や法律によるもの。
・Social and Cultural(社会・福祉や文化的環境)メディアや宗教。
・Economic(経済環境)デフレーションやインフレーション、金融危機などを指します。
7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)は企業や個人、社会情勢や国際情勢などを含んだマーケティング手法となっています。
この7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)にある要素が付加価値なったとき、信頼(Confidence)を獲得し成功に繋がるものとされています。
7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)については理解できたと思いますが、実際にフレームワークをするときにどうやればいいかわからないですよね?
そこで、今回は下の画像のように7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)のテンプレートをダウンロードできるWebサイトを用意したので興味のある方は是非こちらを利用してみてはいかがでしょうか。
ここまで7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)について解説してきました。しかし、実際にフレームワークを始めようとしても必要なシートががないとすぐ作業が始められないと思います。そこで今回はPraxieさんが提供しているシートをご紹介させていただきます。
下記の画像のように7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)の要素がまとまってるシートをダウンロードできるので興味のある方はPraxieを利用してみてください。
この7つの要素の頭文字には多くの「Co」、「Com」が含まれており、これは人と地球環境の共存を表しています。
近年ではCSR(企業の社会的責任)やCS(顧客満足度)と呼ばれるものをチェックする際に7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)は不可欠とされています。
マーケティングミックスとは
マーケティングミックスとは、マーケティングの効果を最大化させることが目的とし、マーケティング戦略にある様々なフレームワークや戦略などのツールをミックスさせるものです。
マーケティングミックスを活用することで、顧客の購買意欲を促進させ、購買行動を起こさせるために必要な手法を分析することができます。
マーケティングミックスで用いられる代表的な手法として4C分析や4P分析があり、複数の観点を組み合わせて、顧客に商品やサービスをより選んでもらえる環境を整備するときに使用されます。
4P分析と4C分析の関係
4C分析と4P分析は分析する際の視点が異なります。4P分析は企業目線(供給側)であるのに対し、4C分析は顧客目線(需要側)となっています。
ここにある4Cは先ほどの共生マーケティングとは異なり、4Pの対のような形で考えられたものになります。
4P分析はProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)という4つのPが合わさったマーケティングミックスとなっており、企業目線で効率的で生産的に提供する戦略を立てるのに欠かせないものとなっています。
それに対して4C分析は、顧客のとっての価値(Customer Value)、Cost(費用)、Convenience(利便性)、Communication(意思の疎通)という4つのCが合わさったもので、顧客目線から見た景色を分析し戦略を立てていくものとなっています。
4P分析と4C分析は対照的であり、近年では顧客目線である4Cのほうが重視される傾向にはあるのですが、顧客と企業の関係性上どちらのフレームワークも活用していく必要があります。
7C分析の方法は?4Cや4Pの分析から見るマーケティング手法|まとめ
7C分析はマーケティングミックスの中でもあまり知られていない共生マーケティングの考えを取り入れたフレームワークの手法になります。
7C分析や7Cs Compass Model(ナナシー・コンパスモデル)は人間と地球環境を配慮されているため、今からフレームワークをする方には現代的であるためとてもおすすめです。
もし、フレームワークがなかなか難しくてできないと感じた方は、まずはマーケティングミックスの4Pや4Cを活用してみてはいかがでしょうか。
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