STP分析とは、わかりやすく言うと市場を細分化し、ターゲット層を定めることを表します。
STP分析は、マーケティング戦略には欠かせないプロセスの1つとなり、選定した市場で自社が優位に立てるかどうかの見通しを立てることにつながります。
そこで今回は、STP分析とは何か・STP分析の方法・STP分析の目的や注意点について紹介します。
目次
STP分析とは
STPとは、Segmentation(市場細分化)・Targeting(ターゲット層の抽出)・Positioning(ポジショニング)の3つの頭文字を取った分析法を表します。
STP分析では、この3つの要素に基づいて市場の全体像を分析し、自社が市場で狙うべき市場を特定して競合他社との位置関係についても把握します。
このようにSTP分析は、マーケティング論の権威者であるフィリップ・コトラーが提唱した、マーケティング戦略の基礎的なフレームワークとなります。
Segmentation…市場を細分化し市場を特定する
Targeting…ターゲット層を特定する
Positioning…自社の立ち位置を明確化し競争優位性を設定する
他にもさまざまなマーケティング分析の方法があるので、以下からご確認ください。
▶7C分析の方法は?4Cや4Pの分析から見るマーケティング手法
▶PEST分析とは?マーケティングにおける活用法、やり方をご紹介
STP分析の方法
ここまでSTP分析とは何か、またSTP分析のフレームワークについて理解して頂けましたでしょうか。
ここでは、STP分析の3つの要素について紹介していきます。
セグメンテーション
セグメンテーションとは、市場やコンセプトを細分化することを表します。
セグメンテーションを行うとコンセプトが明確になり、より正確なマーケティング戦略を行うことができます。
セグメンテーションでは、次のような4つの領域に分けて市場を細分化していきます。
ここで言う変数とは、数学の「x」や「y」のように値を代入する記号、または文字列のことを表します。
1.地理的変数学
土地の規模・人口・天候・文化・生活
2.人口動態変数
年齢・性別・職業・家族構成
3.社会心理学的変数
価値観・購入動機・ライフスタイル
4.行動的変数
購買心理・曜日・時間・購買要素
ターゲティング
ターゲティングとは、自社の商品やサービスを投入する時に、どのような市場や顧客をターゲットにするのかを定めます。
ターゲットを定める際は、自社のコンセプト・ブランドイメージ・価格帯など様々な要素から考察する必要があるでしょう。
ターゲットにする市場において、どの程度の範囲にするのか決めることを市場カバレッジ戦略と言い、その戦略には以下の3つの方法があります。
1.無差別型マーケティング
市場セグメントの違いを無視し、広範囲の市場で共通の商品を提供する手法。
広範囲の市場に同じ商品を売るコストをまかなえる、経済力がある大企業向けの方法です。
2.差別型マーケティング
複数の市場セグメントをターゲットにし、それぞれに対して異なる製品・サービスを売る。
(ex…ピアノメーカーのアップライトピアノからグランドピアノの販売など)
3.集中型マーケティング
1つ、もしくは少数の市場セグメントに販売コストを集中させる手法。
また、ターゲットにした市場が正しいかどうかを評価するには、次のような観点から分析します。
Rank…ターゲットにした顧客層を獲得し、他の顧客層を連続して獲得できるのか
Realistic…市場で生じた売上高と利益がどれだけ確保できるのか
Reach…顧客に向けて製品・サービスを届けられるプロモーションが行えているのか
Response…顧客層のレスポンスの分析ができているのか
Rival…競合の中で戦えるのか
ポジショニング
ポジショニングは、ターゲットにした市場の中で他の競合と自社を比較し、自社をどの立ち位置にするのかを定めます。
立ち位置を決める際は、どの変数を利用すれば自社が他社よりも優位に立てるかを考慮し、変数を選びます。
変数については、市場に合わせておおよそ1〜4個設定すると良いでしょう。
STP分析を行う際は、以下の6つのポイントに沿って、ポジショニングを特定し競合他社との差別化を図りましょう。
・自社製品の種類…市場内において自社製品が含まれる種類
・自社製品の属性…競合製品と差別化できる品質や素材などの属性
・自社製品の使用機会…顧客が自社製品を使用するシーン
・競合製品との関係…市場において競合製品と自社製品の関係性
・競合製品との距離…競合製品と比べた自社製品のオリジナリティ
・消費者へのメリット…消費者ニーズに対して自社製品が満たす要素
STP分析の目的
マーケティングで最も重要な前提として「市場・商圏・顧客に自社の商品やサービスを知ってもらう」ことの必要があります。
ここでは、ターゲットや市場を特定するSTP分析の目的について紹介していきます。
自社に合った顧客層を見つける
STP分析の目的は、自社に有利なビジネスを展開するためのポジションを確立することです。
自社の商品を求めるような消費者グループを見つけることによって、要望に応じて効率よく営業をかけたり、商品を提供したりすることにつながります。
環境の変化に応じてターゲットとする層を特定し、アプローチを変えていくことが会社の成長には不可欠となるでしょう。
他社との差別化のポイントを明らかにする
自社に有利なポジションを確立するには、他社にない商品やサービスの強みが必要となります。
市場内において、競合他社にないオリジナリティを見出し、自社の強みとすることによって優位なポシションを獲得することができます。
このように競争環境が変化する中でも、常に自社の優位性を確保できるポジションを見つけ出すことがSTP分析の目的となるでしょう。
STP分析はいつ行うのが良いか
ビジネスにおける競争環境は、常に変化するため早い段階でSTP分析を行うことによって、マーケティング戦略を練るための重要な要素を把握することができます。
商品やサービスを提供する企業は、マーケティング戦略を行う前段階でSTP分析を完成させる必要があると言えます。
定期的にSTP分析を行い、自社にとって有利なポジションの確立を目指して必要に応じて戦略を修正しましょう。
STP分析の注意
STP分析は比較的自由度の高い手法ではありますが、いくつかの注意点があります。
ここでは、STP分析の注意点について紹介します。
順番にこだわらない
STP分析では、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングといった頭文字の順番通りに行う必要はありません。
ターゲティングの分析が上手く進まなかったとしても、ポジショニングで自社の立ち位置を把握することで、どの顧客層にサービスを提供すれば良いのか把握できる場合もあります。
到達性を検討する
STP分析を行い自社のポジショニングが決まった際は、マーケティングや営業をかけて顧客を探す必要があります。
しかし、ポジショニングを特定しターゲットとなる顧客層を見つけたとしても、その顧客層へ自社の商品をアピールできる見通しが立たなければ商品は売れません。
顧客層へ向けたアピールにかける広告費用も、得られる売上高や利益に見合っているのかを含めて考える必要があるでしょう。
このように自社製品の到達性を考慮しながら、自社のマーケティングや営業などを柔軟に変える必要があります。
市場の大きさを考慮する
市場内において自社の顧客層となり得る消費者が、あまりにも少ない場合は、ビジネスとして成り立ちません。
市場内に競合他社は少ないに越したことはないですが、市場規模が小さく消費者の母数が少ない場合は、利益として大きな数字は見込みにくいと言えます。
そのため、顧客層になり得る消費者の数を見ながら、市場をターゲットにしましょう。
STP分析について|まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、STP分析とは何か・STP分析の方法・STP分析の目的や注意点について紹介します。
STP分析は、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングといった3つの要素に基づいて分析するマーケティングの手法となります。
STP分析は、マーケティング戦略には必須となるため、STP分析を行ってセグメントから自社のターゲティングを定め、どのポジショニングを取るのかを考察しましょう。
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