「リダイレクト」はWebサイトの運営を行う際には必ず覚えておきたい仕組みの一つです。
結論から述べると、このリダイレクト設定はSEOにも影響します!
今回は、Webサイトを長く運営されている方やこれからWebサイトを運営しようとお考えの方に向けて、リダイレクトの種類と意味、設定の仕方まで詳しく解説していきたいと思います。
目次
リダイレクトとは?
リダイレクトとは、簡単に言うとWebサイトやページへ訪れたユーザーを別のWebサイトやページに転送するための仕組みです。
一般的にはサイトURLの変更やメンテナンスを行う際など、元々あったページがなくなった場合に正しいページまでユーザーを導くために使用されます。
リダイレクト設定を行わないとどうなる?
ドメイン変更や一時的なWebサイトページの移行等でURLを変更する場合、そのまま新しいURLを貼り換えてはいけないのでしょうか?
・ユーザーが旧URLをブックマーク、お気に入り登録している
・検索結果に旧URLが表示されている
など、新URL移行後に上記のような理由でユーザーが旧URLを訪れ、アクセスできなくなってしまう状況を作らないためにもリダイレクト設定は重要になります。
ユーザーが新URLを見つけられずにアクセスできない状況が続けば、当然SEOにも関わってきます。
さらに、リダイレクト設定を行わずにURLを変更してしまうとこれまで獲得してきた旧URLの評価も一緒に削除してしまうことになるので、どれだけ上位表示されていたサイトでも検索順位が急激に落ちてユーザーの流入減少・離脱に繋がります。
このような理由からWebサイトを運営する際にはリダイレクト設定が必須と言えます。
転送時の表示方法
転送時には2つの表示の仕方があります。
ページが移転または削除されたことをユーザーに案内してから転送する場合
【メリット】
・元々のページがないことを告知できる
【デメリット】
・ユーザーを待たせる可能性がある
・離脱する可能性が高まる
「このページは移転/削除されました」というような表示を見たことがあるのではないでしょうか?
これは設定の際に自動転送の時間を指定すればユーザーへの案内を置くことができるので、ブックマークやお気に入り登録のURLを更新してもらいやすくなります。
ページにアクセスがあったら即座に転送する場合
【メリット】
・待ち時間がなくユーザーにストレスがかからない
・離脱を防げる
【デメリット】
・リダイレクトされていることにユーザーが気付きにくい
案内を出さず即座に新しいページへ転送するので、元ページが移転/削除されていることにユーザーが気付かない可能性が非常に高いですが、切り替わりの遅延によるストレスも感じさせにくく離脱を防ぐことができます。
リダイレクトにはどんな種類がある?
リダイレクトの種類は主に2つあります。
①301リダイレクト
URLを恒久的に変更する際に使用されることが多く、最も一般的なリダイレクト方法です。
旧URLの評価を引き継ぐ事ができるため、ドメイン変更やサイトの構成変更など恒久的にURLを変更したい場合には301リダイレクトの設定を行います。
②302リダイレクト
URLを一時的に変更する際に使用されるリダイレクト方法です。
301リダイレクトとは異なり、旧URLの評価を引き継ぐことができないので、数日~数週間程度サイトメンテナンスや一時的にページを閉鎖したい場合には302リダイレクトの設定を行います。
(※302リダイレクトが長期間設定されていると新URLが検索結果に表示され、旧URLの評価も新URLに移る可能性があるので注意が必要です。)
リダイレクトの設定方法は?
設定方法も「サーバーサイドリダイレクト」と「クライアントサイドリダイレクト」という2つの種類に分けられます。
▶リダイレクトの設定方法は難しい?種類別で設定方法を徹底解説!
サーバーサイドリダイレクト
サーバーサイドリダイレクトはHTTPリダイレクトとも呼ばれ、サーバー側で行われるリダイレクトを指します。
旧URLの評価やペナルティの観点からリダイレクト設定にはサーバーサイドリダイレクトの利用が推奨されています。
先述の301リダイレクトや302リダイレクトがこれに該当します。
.htaccessによるリダイレクト
「Apache」を利用しているサーバーでは、設定ファイルである「.htaccess」を編集することで、リダイレクトの設定ができます。
ただし、
・WebサーバーソフトがApacheであること
・.htaccessが利用可能な権限や設定がサーバーホスティング業者から付与されていること
・ファイル編集のためにFTPやSSHなどでサーバーにアクセスできること
が条件となります。
無料レンタルサーバーはApacheを使っていても.htaccessファイルの編集が出来ない事が多いため、使用できるサーバーか分からない場合はサーバー会社やサーバー管理者に確認しましょう。
※よく用いられるXServer(エックスサーバー)はNginxとApacheを併用しており、ユーザーはApache側の.htaccessを編集することができます。
1.テキストエディタでファイルを作成する(例:.htaccess)
2.作成したファイルを開き、設定したいリダイレクトの種類で以下のように記述する
【ページ単位】(old.html→new.htmlに移行)
RewriteEngine on
RewriteRule ^old.html$ http://www.転送先.com/new.html [L,R=301]
【ディレクトリ単位】(old.html→new.htmlに移行)
RewriteEngine on
RewriteRule ^old(.*)$ /new$1 [L,R=301]
phpによるリダイレクト
HTMLファイルの先頭にphpを記述してリダイレクトする設定方法です。
主に、.htaccessでは条件分岐が複雑になってしまう場合に使用されます。
以下のようにheader関数を利用して、Locationを指定します。
(old.php→new.phpに移行)
<?php
http_response_code( 301 ) ;
header( "Location: ./new.php" ) ;
exit ;
クライアントサイドリダイレクト
HTMLに転送先情報を記述することでユーザーを新しいページへ転送するリダイレクトを指します。
こちらが推奨されていない理由は、旧ページと新ページが別物と認識され、Webサイトの評価を引き継げない可能性があること、また最悪の場合、ミラーサイト扱いとなりペナルティを受ける可能性もあるためです。
JavaScriptによるリダイレクト
先述の.htaccessが使用できない場合に代替方法として使用されます。
ユーザーがブラウザ設定でJavaScript無効にしている場合はリダイレクトできないこと、移転後も旧ページを残しておかなければならないことなどに注意する必要があります。
(old.html→new.htmlに移行)
<script type=”text/javascript” setTimeout(“link()”, 0); function link(){ location.href=’https://(new.html)’; } </script>
meta refreshによるリダイレクト
HTMLのheadタグに記述してリダイレクトする設定方法です。
記述方法は最も簡単ですが、旧ページの評価を引き継げない可能性があるため、サーバーサイドリダイレクトもJavaScriptもできなかった場合の最終手段と言えます。
<meta http-equiv=”refresh” content=”0;URL=移転先URL”>
contentの数値で、リダイレクトまでの秒数を指定することができます。
リダイレクトはSEOに影響する?
旧URLの評価を引き継ぐために行うリダイレクト設定ですが、そのリダイレクト設定を行ったことによってSEOに影響が出てしまっては本末転倒です。
以前までリダイレクト設定を行ったページは、スパム行為を防ぐために設定方法に関わらずこれまで獲得した評価が失われていました。
(検索順位の高いページを勝手にリダイレクトし、内容をすり替えて他サイトの流入に利用する手口が横行したため)
しかし現在は、検索エンジンの精度が向上したことにより、不正なリダイレクトを検知・排除できるようになりました。
そのため、リダイレクト設定を正しく行えばSEOに影響が出ることはほとんどありません。
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リダイレクトの種類について|まとめ
リダイレクトの種類は、
・サーバーサイドリダイレクト(HTTPリダイレクト)〈推奨〉
ステータスコード:301、302
記述方法:.htaccess、php
・クライアントサイドリダイレクト〈非推奨〉
記述方法:JavaScript、meta refresh
このようになっています。
恒久的にURLを移行する場合は
・サーバーサイドリダイレクト
・301リダイレクト
・.htaccess
を使用するのが一般的でしょう。
ユーザー・Webサイト制作者ともに不利益にならないための仕組みがリダイレクトでした。
Webサイト運営の際にはぜひ参考にされてみてください。
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